夢は持とうとして持てるものでなく、出会うものです。(鎌田浩毅)
<引用>
鎌田浩毅 『一生モノの超・自己啓発 京大・鎌田流「想定外」を生きる』(朝日新聞出版 2015年)
「やりたいことにうまく出会えた人は、とても幸せです。しかし、みんながみんな本気になれる夢に出会えるわけではありません。・・・学生時代に出会えた人もいれば、社会人になっても出会えない人もいます。・・・自分が何をやりたいのかは、それに出会ってみて初めて気づくものです。出会うには機会や行動を、ふやす工夫が大切です。・・・夢を持たなければならないとする考えは危険です。夢をもっていない人は価値がないととする風潮に追いつめられかねないからです。・・・いまは具体的な夢はなくても、自分の未来で夢に出会えることを、明るくしなやかに信じて行動をつづけていけばいい。夢から元気をもらうというより、目の前のことに楽しみを見つけるのもいいようです。」
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<考察>
経営には、夢やビジョンが必要だとする主張があります。
しかし、最初から、実現したい希望や夢がある経営者ばかりでないのが実際のところです。何より、暮らしのため懸命に仕事することから始まり、徐々に事業が拡大していっても、次々に課題が発生しますから、その解決に精力をつかいます。
経営計画を作成する際に、経営理念や経営ビジョンを定めると良いといわれますが、難しくて自分でもよく分からないと正直にいう経営者も多いように感じます。無理に夢やビジョンを持たなければいけないと考えると、今の仕事そのものに価値を見いだしづらくなります。
著者が言うように、プロセスや今の行動そのものを大切にしていけばいいと思います。また、毎日いつも楽しめなくてもいいようです。身体が疲れて整っていないときなど、無理に楽しむ必要はないようです。休息して身体の声に耳をすましながら、目の前の仕事がまた自然に楽しく感じられるときまで、明るくしなやかに、穏やかに過ごしていっても大丈夫だと思います。