> 経営哲学 > お客様に有利なことでも、当社にとっては不利なことばかりでした。それでも、こうした不都合を受け入れ改善してきから、現在があります。(鍵山秀三郎)

お客様に有利なことでも、当社にとっては不利なことばかりでした。それでも、こうした不都合を受け入れ改善してきから、現在があります。(鍵山秀三郎)

<引用>

鍵山秀三郎「困難にも感謝する」(亀井民治 編 PHP 2015年)

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<考察>

自分にとって都合がいいことは、逆の立場である相手にとっては、「不都合」となることがあります。自分の好都合ばかりを主張していると、商売は成り立ちません。お互いによくなるようにするには、自社にとって不利なことも受け入れていく「改善」が必要となります。

鍵山氏は、「お客様に有利になるように、多額の建設資金をかけ物流体制をととのえ、多くの手間ひまを尽くして、多品種少量販売の即納を実現してきたから、現在の会社がある。自社の好都合だけを考えてはできなかったことだ」と振りかえられています。

「何か行動を起こせば、あらたな発見もある反面で、それ相応の痛みにも遭遇する」のが経営のほんとうの姿だとも指摘しています。それでも、何もしなければ進歩はありません。不都合となる決断で、「痛み」があっても、それが変革や進歩の「呼びかけ」を教えてくれると捉えたいと思います。無事に過ごせていることは安心ですが、お客様からのメッセージを受け取る感度が鈍っているかもしれません。自社にとって有利な状態や好都合の経営のときこそ、社会の変化に遅れてしまっていないかチェックしたいところです。漫然とせずに、自ら変化を少しずつ起こしていって、市場からの反応に機敏に行動していくことが大切だと思います。