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イノベーション 叫べば下がる モチベーション(沢渡あまね)

<引用>

沢渡あまね「仕事の問題地図」(技術評論社 2017年)

「経営者やリーダーが、社員やメンバーに過剰な期待をかけすぎている。それがモチベーションの低下を招いている可能性もあります。・・・イノベーション、グローバル、ダイバーシティなど・・・「上がいちいちイノベーションを求めてくる。正直重たい」・・・「そもそも、上がイノベーションが何たるかをわかっているのか?地道な改善じゃダメなんですか」・・・「ただイノベーションって言いたいだけなんじゃないの?」・・・ろくな教育も施さずに、高い成果だけを求める。それ、ムシが良すぎやしませんか?無理に社員だけでがんばらせようとせず、きちんと予算をとり、専門家の力を借りる成り、外部の研修をさせるなりしましょう。」

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<考察>

仕事は生きものである。そして、私たちもまた生きものである。仕事が思うように進まない、終わらない、「だって人間だもの」と素直にいうと、たまに厳しいお叱りを受けると著者は語ります。

現場の自主性に任せるだけでは、仕事は片付かないことが多いものです。タイトルの「仕事の問題地図」のように、問題を書き出し、全体をマップのごとく一覧にしてみる試みは有効だと思います。

この書籍では、たとえば「1丁目 計画不在」「2丁目 進捗不明」「3丁目 一体感がない」「4丁目 モチベーションが低い」「5丁目 期限に終わらない」「6丁目 意見を言わない」「7丁目 有識者不在」「8丁目 抵抗勢力の壁」「9丁目 対立を避ける」「10丁目 失敗しっぱなし」など、結局 具体的に どこから変える?を、皆で共有することから、ムリ・ムダだらけの働き方を見直すことを始めます。

人間だから、弱さがつきもので配慮は必要です。出来ない理由や事情を考慮することも大切です。ただし、いくらでもあるマイナス面に捉われず、それでも皆で成長していくためには、仕事の成果を高めていくことが求められます。個々の能力や自主性に頼るばかりでなく、仕事のPDCAをまわしながら、ともに共感もできる仕組みや制度づくりを、経営者やリーダーは、お金をかけ取り組んでいくことが大事だと考えます。