> 行動経済学 > 自分の頭で考えるとは、『知識』と『思考』をはっきり区別することから始まります。私たちはしばしば他人の考えである『知識』をまるで自分の考えのように錯覚しがちです。(ちきりん)

自分の頭で考えるとは、『知識』と『思考』をはっきり区別することから始まります。私たちはしばしば他人の考えである『知識』をまるで自分の考えのように錯覚しがちです。(ちきりん)

<引用>

ちきりん「自分のアタマで考えよう 『知識』にだまされない『思考』の技術」(ダイヤモンド社 2011年)

『知識』とは、過去の事実の積み重ねであり、過去において他の人がその人の頭で考えた結果です。・・・『思考』とは、未来に通用する論理の到達点であり、自分の頭で考えるものです。・・・知識の重要性を否定しているわけでなく、知識と思考を異なるものとして認識しましょうと言っているのです。」

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<考察>

『思考』は『知識』に騙されると本書は指摘します。

新しい情報を得ても、すでに頭の中にある知識をひっぱり出してきたら、新しい思考は生まれない。知識が思考を邪魔することがある。自分が詳しい分野において斬新なアイデアは受けれ難い。よく知らない分野であれば、寛容に受け入れられる人も、自分の専門分野では驚くほど保守的だったりします。詳しくなればなるほど、その分野でのアイデアに否定的なる傾向があるようです。

しかし、思考力がある人は違うと本書は解説します。思考力がある人は、自分の専門分野でさえ、革新的に柔軟です。それは、彼らが常にゼロから考えているからだと主張します。

時代が変わり、世の中が変わり、新しい現象が出てきて新しい情報に触れたときに、過去の知識でなく、目の前の情報から考えることができるかが肝心です。それが「考えることができる人」とできない人の分岐点といえるようです。特に成功体験に結び付いて知識は、思考を妨げます。

時代の変革期に、先入観をもたずに考えたいと思います。それには、いったん知識を「思考の舞台の外」に分離することが重要だとの指摘には同意するところが多いです。