僕は、ビジネス書はあまり読みません。大成功者の本を読み、同じ行動をしても、うまくいくとは限りません。むしろ『人間とは何か』『人間社会の本質とは何か』を理解することを優先したほうがいいと思うのです。(出口 治郎)
<引用>
APU学長 ライフネット生命創業者 出口 治郎「本の使い方 1万冊を血肉にした方法」((株)KADOKAWA 2019年)
「ビジネス書があまり好きでない。
・・・①後だしジャンケンだからと、②抽象化されすぎているからの2つの理由からです。・・・成功者があとから自分を振り返り、こうしたから成功したと述べたところで、それが次の成功を保証するものではないし、いくらでも後づけで成功体験は考えられます。
・・・また、ビジネス書のノウハウは、極度に抽象化・一般化されていますが、人間の考え・能力・生き方は千差万別で、そうした人間が織りなすビジネスの実相も異なるから、正解は一つでなく、すべてが応用問題だと思っています。
・・・ビジネス書を読んで、その内容を受け売りするよりも、小説や歴史書から、人間はどんな動物で、どんな場面でどう行動してきたかを学んだほうが、はるかに有益です。ただし、実務書や古典はしっかり読みます。」
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<考察>
著者は、気付きを得るために、ビジネス書を読むことはまずないそうです。
ビジネスは、人間を相手にするものなので、人間社会の本質を知ることのほうが大切だと考えているからです。ビジネスで成功したいのなら、人間と人間がつくる社会を理解することに尽きるのではないかと指摘しています。
また、著者は、たのしむために本はあるので、義務感で読むものではない。興味を持てる本、読んでみたいと心を動かされた本を手に取ることですと語ります。