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「与党」の立場で考えて実行しろ。(冨山和彦)

<引用>

冨山 和彦「結果を出すリーダーはみな非情である」(日本経済新聞出版 2017年)

「体を張って挑戦しない人、挫折を味わったことがない人は、リアルな権力闘争の場や深刻な利害衝突がある状況で、組織の舵取りができない。典型的なのが野党的政治家だ。

与党政治家は我慢の連続だ。自分の理想と現実の間で、思いっきり妥協しなければいけない。理想論、あるべき論を過激に語るのは、自分が権力を握るとか、それを行使しなければならない立場に立つことをまったく考えていない連中だけだ。本気で権力を握ることを考えていたら発言は自ずと慎重になるものだ。」

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<考察>

野党的立場から、経営の批判をすることは簡単です。

しかし、現実的な「対案」「代替案」を提示できるかが、重要になります。

単なる批判で終わってしまい、理想やあるべき論で語るだけでは済まないのが真のリーダーの立場です。責任ある立場にある人間は、批判される論点を理解していないのでなく、現実に対処しつつ実行していかねばなりません。つねに我慢しながら、軽率な言葉で実行の妨げにならないように、一つひとつの言葉を丁寧に慎重に考えて、選ばざるをえないものです。