穏やかな物腰、感謝の笑顔、いたわりの言葉は「心」がこわばっている状態ではできません。だから僕は意識して「心」をやわらかくするようにしています。(日野原重明)
<引用>
聖路加国際病院 名誉院長 日野原重明「生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉」(幻冬社 2017年)
◇「家族とは何か」と問われたら、僕は「一緒に食卓を囲む存在」だと答えます。食事をともにできるということ、それ自体が素晴らしいことです。
◇「近頃の若い者はなっていない」というのは、いつの時代も言われることです。でも、ほんとうは年をとった僕たちのほうが経験があるのですから、若い人に歩み寄っていくべきでしょう。
◇本気で泣いた経験のある人は、人の痛みを知ることができます。傷ついている人にただ寄り添ったり、励ましの言葉をかけたり、慈愛の心が育まれるのです。人に優しくできる人は、きっと人からも優しくされるでしょう。
◇人間というのは不思議なもので、苦しいとき、逆境のときこそ自分の「根源」と出会うことができるのです。人間は苦難にあわなければなかなか目が覚めない。困難にぶつかった時こそ、遠くを見るのです。
◇僕は、「運動不足」より「感動不足」のほうが深刻ではないかと感じています。新しい何かを始めることの中には、心が躍動するきっかけ「感動」がたくさんつまっています。知らなかった自分を知ることが「感動」につながります。