私はかねてより、「親は自分の願望を子に託すな」と訴えています。(小児科医 高橋孝雄)
<引用>
小児科医 高橋孝雄「子どもが心配 人として大事な三つの力」(PHP新書 2022年)
「こういう教育をしてやれば、自分にはできなかった夢が実現するのではないか、という気持ちが強すぎる。試したいのであれば、例えば、我が子に英会話を習わせる前に、まず自分がやってみればいい。・・・子供に期待する親心はあるとしても、あれもこれもと押し付けて、日常の幸せを奪っては本末転倒です。・・・子どもに後悔してほしくないからでなく、親自身が後悔したくないだけなのでしょう。」
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<考察>
「いま」の喜びを体感できずに、幸福が先送りされてしまってないかと著者は、指摘します。
子どもの時代が、「大人になるための準備期間」のように捉われていますが、それでは、子供たちはいつ幸せを享受できるのでしょうか。幸せの瞬間が未来に回されるばかりでは、「いま」を体感できません。子どもの時代に幸福を味わってほしいと語ります。
教育や子育ての本質は、効率主義や成果主義の先にはない。むしろ、無駄なことや遠回りした先に待っていることもあるのではと著者は語ります。
子ども時代にしか味わえない感受性と、成果も求めた方がいい願いが交錯しますが、それでも「いま」の喜びを体感することを優先して考えたいと思います。