> エピソード > 部門の責任者に、立候補することもできる。立候補したスタッフは、自分の改革案をほかのスタッフの前で語る。(星野リゾート 星野佳路)

部門の責任者に、立候補することもできる。立候補したスタッフは、自分の改革案をほかのスタッフの前で語る。(星野リゾート 星野佳路)

<引用>

中沢康彦 『星野リゾートの事件簿』(日経BP社 2009年)

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<考察>

若手や女性を上司の側から登用するのでなく、もっと積極的に自ら立候補することがルール化されている星野リゾートは、何故こんな大胆な人事制度が可能なのでしょうか?

政治の世界では立候補が当たり前ですが、会社内で責任者に立候補して改革プランを主張することは、既存ルールの担い手であった組織人に抵抗感が大きいと予想されます。ピラミッド型の組織では難しいでしょうが、フラットな組織で、常に責任者が入れ替わることが前提である星野リゾートであればこそ可能ともいえます(一部のベンチャー企業でも実施)。勇気あるチャレンジを推奨する社風と、多くの経験値を早いうちから積むことで、人財の成長を加速化させているようです。

指示される側と違い、責任者として指示を出すと想像するだけで、世界が違って見えてくるはずです。さらに、改革するプランを語ることで、目指したい仕事がはっきりします。それが他のスタッフに共感されるか受け入れられないか、本気度も試されます。立候補制という人事は、仕事の醍醐味を実感でき、働きがいが見つかることでしょう。さらに、人事をつうじて、企業全体を変革を推進する力も強くなると思います。