> 会計思考 > 無形資産が経済を支配する。目に見えない「情報や人材」がビジネスを一変させた。(ジョナサン・ハスケル他)

無形資産が経済を支配する。目に見えない「情報や人材」がビジネスを一変させた。(ジョナサン・ハスケル他)

<引用>

ジョナサン・ハスケル/スティアン・ウェストレイク 『無形資産が経済を支配する』(東洋経済新報社 2020年)

「目に見える有形資産から、豊かさの源泉は目に見えない無形資産に変わった。2002年当時、世界で最も時価総額が高かったマイクロソフト社。2006年の同社の市場価値が2500億ドル(26兆円)だったが、有形資産(工場や設備)は30億ドル(0.3兆円)だ。同社の資産価値は、研究開発が生んだアイデア、ブランド、社内プロセス、人財などの無形資産だ。」

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<考察>

本書では、目に見えない「情報や人材」がビジネスを一変させたとする事例が多く記載されています。そして、無形資産を3種類に分けて理解しようとします。

①コンピュータ化情報・・・ソフトやデータベースの開発。②イノベーション財産・・・研究開発や娯楽作品の制作。③経済能力・・・人材の研修、調査、企業変革への投資。

こうした無形資産への投資は、貸借対照表の資産に計上されないことが多いです。無形資産は、資産でなく費用に計上されることが多いからです。また、無形資産の特性は不確実性にあります。つまり、失敗と成功のブレが大きいです。今日では、モノづくり企業にとっても、製造業のサービス化という考え方で、無形資産へのシフトが重要になってきています。財務情報としての無形資産の明示についても、比較可能な形式がもとめられています。