戦略で大事なのは、分析するよりも『課題』への問題意識だ。(山田修)
<引用>
山田修「6社を再生させたプロ経営者が教える <超実践的>経営戦略メソッド」(日本実業出版社2011年)
「毎日、何かしらの問題で悩んでいることはわかっています。しかし、それらの頭痛の種となっている問題を、「整理された概念」として、また「自覚した経営課題」として言語化、リスト化できているでしょうか。
顧客あるいは市場については、「不のつくもの」(顧客の抱えている不便や不満、不足など)を探せ。・・・実地で役立つ経営戦略を立てるには、自分の会社あるいは部署が抱えている経営課題を正しく認識できる問題意識が不可欠です。
解決策出しには、①問題意識と着眼点のよいマネージャー探し、②そのマネージャーが担いできた『タネ』を検討して『アタリ』をつけ、③キャッチボールでシナリオを転がし、膨らませる。・・・経営戦略(新しいやり方)の立案は、上と下との相互作用によって『暗黙知』を『明示知』化していくほうが、アイデアがよりクリアに顕現されてよいものができていきます。」
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<考察>
従来の戦略立案では、トップか従業員か、二者択一的に捉えていましたが、実態は違うと著者は指摘します。
経営戦略の立案は、解決策を探る段階では、上と下の相互作用によって、「戦略のタネ」というアイデアを、キャッチボールするようにやりとりしながら、戦略シナリオを膨らませていくものだ。経営者(責任者)だけで、戦略を思いつくのならそれでも構わないが、質問をしながら「ああなれば、こうなる」と互いに展開していくとの着想は、対話によって目標達成を支援するコーチングに相通じる側面もあるように思います。