> 人間関係 > 成長を願うばかりに「ないもの」ばかりに目を向けてしまい、「今あるもの」や「今できていること」を疎かにしていたと痛感されたのですね。(廣田祥司)

成長を願うばかりに「ないもの」ばかりに目を向けてしまい、「今あるもの」や「今できていること」を疎かにしていたと痛感されたのですね。(廣田祥司)

<引用>

監修者 廣田祥司「歯科医院経営改善プログラム」(クインテッセンス出版 2014年)

「ご相談の内容は、次男が急きょ退職するといってきている。・・・最近は、グループ全体の雰囲気が思わしくなく、業績も伸び悩んでいる。・・・子供たちと決定的に亀裂が生じている、というものでした。悩まれる院長に、最初にお願いしたのは「今あるもの」や「今できていること」を数え上げてもらうことでした。」

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<考察>

人は相手に対して、「ないもの」や「できていないこと」ばかり、問い詰めてしまいがちです。

それは、「ビジョン」と「現実」のギャップを解消することが、正しいと考えるからです。ギャップの原因に焦点をしぼり、批判しかけると、人間関係にヒビが生じます。問いかける側は、よかれと思い成長を望んでいるのでしょうが、問われる側は、足りないことばかりを責められて辛く苦しく感じます。

本当に大切なこと、心からありがたいことを見失っていないでしょうか。仮に、「ビジョン」が実現できなかったとしても、あなたに残るものは何か。「ビジョン」を実現できて上手くいったとしても、絶対に失いたくないものは何か。最初に明確にしておきたいです。

足りないことをもとめるより前に、「今あるもの」や「今できていること」を一つ一つていねいに思い起こすことから、始めるといいと本書は語ります。今いるスタッフ、家族、お客様、めぐまれていること、今ある大切なものをきちんと整理します。自然に感謝の気持ちが生じるまで、あじわうように、ゆっくりと。