> 生きがい・働きがい > 当時の僕は、自分が『魚』であることに気づかずに、空を飛ぶ練習をしてしまっている状態でした。(八木仁平)

当時の僕は、自分が『魚』であることに気づかずに、空を飛ぶ練習をしてしまっている状態でした。(八木仁平)

<引用>

八木仁平 「世界一やさしい『やりたいこと』の見つけ方 人生のモヤモヤから解放される自己理解メソッド」(KADOKAWA 2020年)

「そして、どれだけ練習しても飛べない、自分はダメなんだと自信を失っていました。空を飛ぶ鳥に憧れる前に、『自分はどんな才能を持っているのだろう?』と考えなければならなかったのです

自分が元から人より上手くできること、やっていて苦労なく心地よいことを効率よく伸ばしていくことが、重要なのです。

・・・何でこんなこともできないの?と感じた時に、人はイラっとします。このイラっとした時は、自分がいつも当たり前にやっている『得意なこと』に気づくチャンスです。・・・何故なら、得意なこと、成果を出す頭と心のクセは、自分にとって無意識だからです。

・・・例えば、物事に『慎重』に取り組むというのは1つの才能です。ミスのない作業では『長所』ですが、スピード感を求められる仕事では、それは『短所』になります。・・・自分の得意なこと(才能)がどうすれば長所として発揮されるかを理解しなければいけません。・・自分を変える努力も大切ですが、その前に自分を活かす努力から始めましょう。・・・大事なのは、誰かの長所の使い方を真似るのでなく、自分だけが使える勝ちパターンを手に入れることです。

・・・自分の取扱説明書をつくってください。最低でも10個、できれば20個書き出せるといいですね。いろいろな長所があれば、自分はさまざまな目標を達成できるという自信が身につきます。例えば、リスクを考えられる、人の気持ちを大事にする、1つのことを突きつめる、場を盛り上げる、新しいことを学び続ける、アイデアを出すなど。

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<考察>

著者は、『好きなこと』を仕事にした方がいい、と言われる一方で、『好きなこと』を仕事にしてはいけない、とも言われますことに回答を示してくれます。

例えば、野球が好きだから、野球関連の仕事を選ぶと、その仕事で具体的に何をするかを考えていないから、失敗しがちです。野球選手が難しかったから、野球用具メーカーの販売職についたしても、野球でプレイすることは好きだったとしても道具を販売することは好きでなかったというように、好きな分野だけで選ぶ間違いがあります。大事なことは、その分野で、自分がどんなことをやっている時に楽しいのか、『得意なこと』もセットで考えることです。

野球が好きでも、野球のどんなところが好きなのか?という理由は人それぞれ違っています。チームプレイが好き、能力をコツコツ高めることが好き、戦略を考えるのが好きなど。・・・『好きなこと』を仕事にするは、自己満足の仕事はできます。けれど、お客さんに価値を与える仕事をするのは難しいです。・・・実際に行動して働きながら、振り返ることで、『好き』と『得意』を修正させ試行錯誤を繰り返して、寄せていくのです。著者は、どんな仕事でも、捉え方を変えれば、自分の『好き』と『得意』を一致させることは可能だと指摘しています。

更に、最も危険なのは、どの道を進むのが一番メリットがあるだろうか?と頭で考えて判断することです。時代の変化の早い中で、今メリットがある選択がすぐに移り変わってしまうからだと主張します。

また、スキル・知識は、自分のやりたいことを実現するために活用する手段です。すでに獲得したスキルの活用に拘ってしまい、その技術だけを目的化にしないことも大切だと思います。