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マーケティング戦略は「STP」⇒「4P」の順に考える。(フィリップ・コトラー他)

<引用>

フィリップ・コトラー 他『コトラー、アームストロング、恩藏のマーケティング原理』(丸善出版 2014年)「マーケティングの最初のステップはSTP。「S 市場の細分化 セグメンテーション」、「T 顧客のターゲッティング」、「P 自社のポジショニング」をおこない戦略を策定する。次に戦略を展開するために4つのP。「製品戦略 プロダクト」、「価格戦略 プライス」、「プロモーション戦略」、「チャンネル戦略 プレイス」に分けて展開する。これを首尾一貫して考えていくことが、何より大切だ。各要素までこまかくしっかり噛み合い、全体が相乗効果を生むようにしないと意味がない。」

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<考察>

コトラーは、「自分の著書であっても古い版のサインはしない。それは、私がケチだからでなく、古い本は役に立たないからだ」と述べています。つまり、マーケティングは、その考えが時代とともに更新されつづけていき、経営環境が変わると戦略の有効性が失われてしまうから、つねに情報をキャッチアップしなくてはいけないとしているからです。

マーケティングの定義も古くは、セールス、広告、プロモーションなどをテーマとしてきましたが、今ではもっと広い意味で捉え直すべきとの主張をされています。新しいマーケティングは、ターゲットといえる顧客に対して、より優れた価値をつくり、伝え届ける全体であって、企業を成長させるエンジンと捉えた方がいいようです。

セールスと対比されるマーケティングという概念は、売り方にかかわる分野ばかりでなく、企業全般の戦略や発展そのもののを指す経営システムともいえそうです。IT、SNS、AI、DXの技術革新とビジネスの形態が次々と進歩していくにしたがい、マーケティング戦略の進化もスピードアップしていきます。戦略の優位性が長続きしなくなり、新たな方策を次々に打ち出していかなくてはいけない時代です。

コトラーはマーケティングについて、まず、どこから考えたらいいのか道筋を提示しています。市場を漠然ととらえずに細かく分けなさい。すべての顧客に価値を提供することは難しいから、お客様を絞り込みなさい。自社の位置づけを決めなさい。そこから、戦略を展開するために、4つの観点(生産、価格、宣伝、場所)にしたがい、戦略思考を整理したらいいのかを指南してくれます。それで終わらせてしまわないで、更にお互いの関連性をチェックして、トータルで最高のパフォーマンスを発揮させるように、「マーケティング戦略」を軸に捉え直して、各戦略の整合性と相乗効果に注意すべきことをもとめています。