> 生きがい・働きがい > 命とは時間の中にあると思っています。時間をどう使うか、使う目的がある以上、生きる価値があります。(日野原重明)

命とは時間の中にあると思っています。時間をどう使うか、使う目的がある以上、生きる価値があります。(日野原重明)

<引用>

聖路加国際病院 名誉院長 日野原重明「生きていくあなたへ 105歳 どうしても遺したかった言葉」(幻冬社 2017年)

「105歳という年齢を迎えてもなお、僕にはまだ自分でも知らない自分が、たくさんあります。

その未知なる自分に出会えるから、朝起きて自分が生きているということが、心から嬉しいのです。生きているからこそ、新しい一日をスタートできる。さまざまな出会いがある。

僕たちは死ぬことから逃れられないし、逃れなくてもいい。死だけを凝視するのでなく、目を背けるのでなく、ただただ今生きている自分の命を輝かせることが死と一つになった生を生きるということなのです。」

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<考察>

やはり長生きしてよかったと、日野原さんは語ります。

100歳を超えたあたりから、自分がいかに本当の自分を知らないでいたかを感じるそうです。世の中でいちばん分かっていないのは自分のことだと、気づくことが出来るのが年をとっての発見と指摘されます。80代の頃の自分がかわいかったとさえ思えるようです。

命の尊さを伝える使命として「命の授業」というタイトルで、全国の10歳の子供たちと交流してきた。

「命はどこにあると思う?」そうすると子供たちは、心臓のあたりを指したり、脳みそと答えたりするようです。僕は、「命というのは君達の使える時間の中にあるんだよ」と子供たちに伝えてきました。子どものうちは、与えられている時間は全部自分のために使いなさい。大きくなって大人になったら、君たちの時間をできるだけまわりの人たちのために使ってくださいね、と。

新しい一日をスタートできる、与えられた時間がある、どう使うかを大切にしたいと思います。