> 生きがい・働きがい > 使命感を持った瞬間、「やる気」の次元が、ぐっと上がった気がします。(医学博士 宮口幸治)

使命感を持った瞬間、「やる気」の次元が、ぐっと上がった気がします。(医学博士 宮口幸治)

<引用>

医学博士 宮口幸治「ケーキの切れない非行少年たち」(新潮新書 2019年)

「医師になる前、建設関係の会社に勤めていました。・・・だんだん仕事の全貌が見えるようになり、仕事の目的もわかってきました。「よし、がんばろう」という気持ちになるものの、「やりがい」は感じることができない。・・・その後、精神科医の医者になっても変わりませんでした。・・・精神科医は、基本的に患者さんが治らないことが多い。空しさも覚えたのが正直なところです。・・・そんなとき出会ったのが、非行少年だったのです。・・・

認知機能に障害があるのに、気づかずに非行化する子供たち。予備軍を含めてたくさんいることが分かってきました。・・・「この子たちを何とかしなくちゃいけない。そのために自分は生まれてきたんだ」という「使命感」が、自然に湧いたきたそうです。「使命感」が見つかった私は、すごく幸せだと著者は語ります。」

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<考察>

子供自身も周りの親たちも、認知機能が低いことに気づかないケースが多いと医学的に判明してきました。かつては、非行に走った本人を責めるばかりでしたが、本人の責任というより正常でない認知能力が原因でした。本人が悪いと決めつけては可哀そうでした。「誰かが助けてあげなくてはいけない。そうだ、わたしが何とかしてしなくちゃいけない。」

「使命感」は無理して持とうとするものでなく、出会い(コーリング:英語で天職の意味)が、自然に導いてくれるものかもしれません。