> ビジネス心理学 > オンラインショッピングする大抵の人は、複数のサイトで検索などしなかった。結局、私たちは「賢い消費者」ではなく、「面倒くさがりの消費者」なのです。(内藤よし人)

オンラインショッピングする大抵の人は、複数のサイトで検索などしなかった。結局、私たちは「賢い消費者」ではなく、「面倒くさがりの消費者」なのです。(内藤よし人)

<引用>

内藤よし人 『世界最先端の研究が教える すごい心理学』(総合法令出版 2019年)

「オンラインショッピングする人は、上手に情報検索して、最安値の商品を見つけ出して賢く買い物をしているのか・・・コロンビア大学のエリック・ジョンソンは、1万世帯以上の家庭のパソコンショッピングを12か月分も調べた。・・・データを分析した結果、本では平均1.2サイト、旅行サービスでは1.8サイトの検索で済ませている人が大半でした。・・・わざわざ手間をかけず、慣れたサイトで済ませようとしてしまう心理・・・現実の買い物もそうですよね。」

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<考察>

心理学の面白い実験や調査を、いっぱい集めた本書は、人間心理の「現実」をおしえてくれます。

□私たちが、買い物で優先することは?・・・手間をかけるより楽に選べること

□高いビールと安いビールのどちらが美味しい?・・・同じ中身のビールでも、値段が高いと美味しく感じる

□高い栄養ドリンクを飲むと頭が冴えてくるはず?・・・本当にパズルを多く解けるようになる

□サービス業で働く人のストレスの原因は?・・・笑顔のサービスがストレスを生む

□落選する候補者が口にしていることは?・・・悲観的なことを口にするほうが落選する

□企業の不祥事が相次いで起きる理由は?・・・不正に気づいたら、きちんと注意する人は、ほとんどいない

□自分の評価は平均以上か?・・・誰もが「自分は平均以上」だと思っている

□どれだけ家事をしている?・・・私たちは、自分が家事をたくさんやらされていると感じやすい

ふだん、なんとなく人間の心理や行動について、不思議に思っていたことを、実際に実験によって解明しようとした多くの挑戦から、興味深い「現実」が見えてきます。

経営上の意思決定を考える際に、人間心理の奥深さを知っておくと、理性的で合理的な経営判断だけでは、なぜ成果が出ないかが、分かってくるように思います。