> 経営哲学 > おもてなしの心を持つスタッフが集まれば、自然に利益とのバランスが取れるものではない。 「顧客満足度」と「利益」の両立は、専門性が高いプロの仕事なのです。(星野リゾート 星野佳路)

おもてなしの心を持つスタッフが集まれば、自然に利益とのバランスが取れるものではない。 「顧客満足度」と「利益」の両立は、専門性が高いプロの仕事なのです。(星野リゾート 星野佳路)

<引用>

中沢康彦 『星野リゾートの事件簿』(日経BP社 2009年)

※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

<考察>

おもてなしの心は、顧客満足度を高める大切な源泉です。お客様の立場になって、今よりもっと品質やサービスを良くしたい姿勢は、通常コストアップ要因になりがちです。採算を重視すると、お客様の満足度を犠牲にしないといけないものでしょうか。

この二律背反する「顧客満足度」と「利益」を天秤にかけて、いかなる魔法を使ってバランスを取るかが、星野氏が指摘するように、経営のプロが行う高度な仕事となります。スタッフには、まかせられない会社全体を視野に入れた決断と選択です。

この「顧客満足度」と「利益」のバランスを図るには、根拠となる「数字」を具体的に知って、分析することが必要となります。あいまいな感覚にたよらずに、会社の本当のすがたを正しく認識するため、こまかく調べて数値化すると、思いこみを覆す発見があるはずです。優秀なスタッフの強みを高め、お客様の喜びを実現しつつ、採算も成り立たせる難しい方程式に、経営者は正面から取り組んで解を導かねばなりません。「数字」を確かめ、自らの知見と社員みんなの頭脳をフル動員して、専門性の高い経営責任を果たしていきたいと思います。