> ビジネス心理学 > 「利他の行動」で快感を覚える脳、これが人類が生き延びるための唯一の武器だったのです。(脳科学者 中野信子)

「利他の行動」で快感を覚える脳、これが人類が生き延びるための唯一の武器だったのです。(脳科学者 中野信子)

<引用>

医学博士・脳科学者 中野信子 『脳科学からみた「祈り」』(潮出版社 2011年)

「これまでに、数えきれないほどの生物種が絶滅し続けてきました。そうした中にあって、人類は、共に助け合うことで生き残り、現在の繁栄を築いてきました。つまり、お互いに助け合う「利他の行動」で快感を覚える脳、率先して「利他の行動」をとらせる脳。これが人類が種として生き延びるための唯一の武器だったのです。」

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<考察>

なぜ「誰かのために」という行為が、人の心を打つのでしょうか。

映画を見ていても、みんなのために率先して戦ったり、犠牲になってしまうシーンに感動します。

脳科学の研究から分かってきたことは、みんなのためという「利他の行動」は、人間の本能にあるようです。

他の動物と比べて非力な人類は、群れをつくり互いに協力し生き延びてきた長い歴史があります。

そのため、人間の脳は「誰かのために」という「利他の行動」に、美しさを自然に感じ、他人の役に立つことに根源的な喜びを抱くように進化してきました。「利他の行動」、社会に貢献する、チームの力になることは、理屈で正しいというよりも、人間の脳に刻まれた本能から生じるものと知れば、なぜ「誰かのために」という行為が、人の心を打つのか理解できてきます。